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燃え盛る寺の中、火をモノともせず戦う、兵士達が居た。
白の寝間着姿の信長が槍を構え、一人の鎧武者と対峙していた。
「やはり裏切ったか、光(ミツ)よ!!」
「お覚悟を、信様!!」
ガキィ!!
刀を手に群がる兵士と戦う蘭丸。
「殿!!お逃げ下さい」
「おのれ!!何故、裏切ったのだ光よ!!」
「それは貴方様が……くっ」
辛い表情を浮かべ、顔を横に背ける光。
「何だ、答えられぬか?」
「それは貴方様が蘭ばかりを床に呼ぶからです!!蘭に寝取られるくらいなら、貴方様を殺し私も自害します!!」
「光様、それ程までに信様の事を」
「是非も無し……貴様に一度でも愛した俺を殺せるか?」
「……」
無言のまま、光は刀を構え走り出した。
「ぬおぉぉぉぉ!!」
槍を捨て、信も刀を手に走り出した。
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