魔王の血を見るまで

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甲斐に戻る日。 「じゃ、お世話になりましたっと」 「次は助けてやらないからな!」 「俺様、魔王信長を倒した真田幸村の忍だから大丈夫~」 ひらひら手を振って、春日山城を後にした。 旦那の傷も癒えている頃かもしれない。 あの時は旦那を傷付けた魔王を斬りたくて、無我夢中だったけど、結局旦那が魔王を倒してしまった。 獲物を横取りされた独眼竜が悪感情を抱くことは当然の結果だ。 次は決着の時。 どちらが魔王を倒した腕の持ち主か、白黒つける時。 「旦那、今帰るかんね~!」 風に軋む凧で青い空を飛ぶ。戦乱の時代を忘れさせるような、長閑な景色だった。
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