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数日後、奥州の独眼竜から書状が来た。
「…摺上原まで参られよ…か…」
「果たし状ってとこだね」
旦那は書状をくしゃっと握り締めると、
「摺上原に参るぞ、佐助」
「兵たちは連れて行かなくていいの?」
「元より、政宗殿と某の一騎打ちでござる…」
先日まで心地よかった風が強くなってきた。
バタバタと屋敷の戸が鳴る。
「嵐が来そうだな…」
才蔵に摺上原に行くことを告げると、寡黙な彼は一度だけ頷いた。
「気をつけな、隊長」
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