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「忍が家臣……?」
「左様でござる」
「………フッ」
小十郎は俺様の前に立つと一言言い放った。
「武士と忍の違い、それはさっきのガキ共にでも聞くんだな」
「……!」
民を愛する心とでも言いたいのだろう。
独眼竜もその右目も、奥州では広く敬われ愛されている。
民を大切に思う心があってこその名声だ。
だが俺様には…忍には、主君を守る事しか刷り込まれていない。
「(……へっ…)」
摺上原に着くまで、俺様は小十郎の背中を穴が空くぐらい睨み付けていた。
言ってくれるねぇ、
馬鹿にすんなよ、
吠え面かくなよ、と。
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