7/9
506人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
「……はは……うえ」 (んっ?旦那、俺様を母親だと思ってる!?) 「…弁丸の…ははうえで……ござる……」 服を弱々しく掴まれたと思うと、旦那はまるで赤子のように眠ってしまった。 「………旦那……」 主君が体調不良の時は、看病するのが正解だと思う。(俺様忍だけど) でも、こんな風に精神的にも崩壊している時に、どうしたらいいのか分からなかった。 慰めるとか、労るとか知らなかったから。 「……俺、旦那の母さんだよ……」 本当は変化の術でも使えば良かったんだろうけど、旦那の母親の顔知らないし。 「…ずっと守ってやるから…安心して…」 旦那の寝息と、虫の声だけが部屋に響いていた。
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!