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「某に…冷静になれと申すか…」 「それも無理かな~」 旦那はいつでも猪突猛進、何事も力押しだ。 でもそれが旦那の戦い方。お館様とも違う、この世に一つしかない旦那の生き様だ。 最大の武器であり、最大の欠点でもある両刃の剣。 「……ゆる~くいこうぜって、旦那には通用しないよねぇ」 「あ、当たり前でござる!佐助のように飄々とは……」 「じゃあさ、旦那は炎になりな。熱く燃えて、敵を焼き尽くす消えない炎に……」 熱血漢の旦那は、それを聞くと血が騒いだのか目を輝かせた。 「うむ!」 (俺は、風になる…。旦那の炎が大きすぎたら、ちゃんと御してあげる。炎が小さくなったら、また燃えることができるように支えてあげる。) 忍の仕事は本当に骨が折れる。 神経がすり減る。 だけど、旦那の為に仕えるのは嫌じゃなかった。
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