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「ヒヒーン!!」
ついには混乱して馬が立ち上がってしまった。
「あー、どうどう、あんたのご主人様も緊張してるんだ、分かってやってくんな」
馬の首を撫でて興奮を鎮めてやる。
「何をしておるか幸村あぁ!ちゃんとついて来んかぁ!」
「も、申し訳ございませぬ、お館様!」
お館様の一喝に、旦那は体勢を立て直した。
「そうでござる……某はお館様の御為に…」
二槍を背負った旦那の目が闘志に満ちる。
先ほどまでまごついていたのが嘘だったかのような、武人の顔だ。
「……旦那に火が入った、かな」
俺様は安心して、旦那の元を離れた。
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