初陣

4/6

506人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
ガキッ バキィン あちこちから刃が交わる音が聞こえる。俺様は木の上から旦那の様子見だ。 (……えー、旦那、旦那っと…) 「うぉあああああああああ!」 派手な武田の赤備え。その中でも一際紅い、旦那の姿が見えた。 「や、槍を二本だと……」 「あんな奴、武田に居たか…?」 「真田源二郎幸村、見参んん!!」 赤い鉢巻と、結わえた長い後ろ髪が風に靡く。 はだけた胸板に、鳴るは六文銭。 旦那を囲んでいた5、6人の兵はその姿に圧倒されていた。 「うらあああああああ!」 旦那は大声で吼えると、二槍を豪快に振り回し、上杉の兵を薙ぎ倒して行った。
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

506人が本棚に入れています
本棚に追加