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「もうだめだよ…!」
………
え…?
さっきまであんなに大騒ぎだった体育館が、一気にしーんとなった。
静かすぎて、息もできないくらいに。
「僕がいたら、みんなに迷惑がかかるから…。
だから、僕はみんなを影から応援することに決めたんだ。
今まで…。
ありがとう…!」
しーんと静まり返った体育館に響き渡る、マイクでのセリフ。
まだ、人の姿は見えない。
たったったっ…
「離して…。
もう僕は、決めたんだ…」
このセリフが私の耳に聞こえたと同時に、ばんっと照明が照らされ、ライトを浴びる、ステージ中央に立つ人物。
私が見たその男の人は、あまり顔は見えなかったけど、とてもとても、切ない顔をしていたんだ……。
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