ソフィア.バトンの証言

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彼は、自分が求める物が何処にあるのか占ってほしいって言ってきたわ。 私は彼に聞いたの。 あなたは何を求めているの?って。 そしたら彼は、それは言えない。って言ってきたの。 私にも意地があるから、求める物が何か教えてもらえなくても、見事に占ってみせようと思ったの。 でも私は占い師でエスパーじゃないわ。だから物のありかなんてズバリ言いあてられないのよ。でも彼は占いをしてあげないと帰ってくれないような雰囲気だったの。 私の占いは手相を見るの。 手相って不思議でね、その人の人生が、線になって手の平に描かれているのよ。 刑事さんも占ってあげましょうか? そうね、そんな事より事件の話しよね。 私は彼の手相を見たわ。 彼の手相は、一言で言うと波瀾万丈だわ。普通の人の10倍は苦労したんじゃないかしら? 彼の手相には、これから命にかかわる事が起きる不吉なのがあったの。だから私は、まずそれを注意したの。 だけど彼は、その話しを他人事のように聞いていたわ。
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