ドミニク.ライアンの証言

3/4
前へ
/38ページ
次へ
夜の9時を回った頃だったかな? 奴が店に入ってきたんだ。 よそ者が珍しいこの村で、飲み屋によそ者が入ってきたら、誰だって興味がわくだろ? だから俺は、奴にビールを1杯おごってやって、話しかけたんだ。 何処から来たのか?何をしに来たのか?聞いてみたんだ。 だけど奴は、何処から来たのかは、答えてくれなかった。 だが何をしに来たのかは、答えてくれたぜ。 探し物をしてるって言ってたな。でも何を探してるのかは、教えてもらえなかったな。 奴はなんだか、ただならぬ気配があってな、なんだかヤバい事に巻き込まれそうだったから、詳しく追求しなかったんだよ。 なあ刑事さん、森の噂は知ってるか? 少しなら知ってるのか。 奴は飲み屋の窓から真っ暗な森をじっと眺めていたんだ。昼間だって気味が悪い森をじっと眺めていたんだぜ。 そうそう、森にはいろんな噂がある。化け物が出るだの魔女がいるだの。 だけど本当は違う。 森に居るのは宇宙人なんだよ。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加