74人が本棚に入れています
本棚に追加
夜の9時を回った頃だったかな?
奴が店に入ってきたんだ。
よそ者が珍しいこの村で、飲み屋によそ者が入ってきたら、誰だって興味がわくだろ?
だから俺は、奴にビールを1杯おごってやって、話しかけたんだ。
何処から来たのか?何をしに来たのか?聞いてみたんだ。
だけど奴は、何処から来たのかは、答えてくれなかった。
だが何をしに来たのかは、答えてくれたぜ。
探し物をしてるって言ってたな。でも何を探してるのかは、教えてもらえなかったな。
奴はなんだか、ただならぬ気配があってな、なんだかヤバい事に巻き込まれそうだったから、詳しく追求しなかったんだよ。
なあ刑事さん、森の噂は知ってるか?
少しなら知ってるのか。
奴は飲み屋の窓から真っ暗な森をじっと眺めていたんだ。昼間だって気味が悪い森をじっと眺めていたんだぜ。
そうそう、森にはいろんな噂がある。化け物が出るだの魔女がいるだの。
だけど本当は違う。
森に居るのは宇宙人なんだよ。
最初のコメントを投稿しよう!