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「それはそうとクラッド。早くフィアさんの所に行くべきじゃないのか? もうこんな時間だぞ?」
リオンの言葉を聞いて、めんどくさいので視線だけを時計に向ける。
2つの針は見事縦に真っ直ぐ伸びていた。
6時か……。何か忘れてる気がするんだよな……。
そう思い、今日1日の出来事を朝から振り返ってみる。
起きて、飯食って、準備して、学園行って、森に行って、試合して、負けて、起きて……。
――6時までに戻ってこいだってさ。
「……あぁっ!」
思い出した! そうだ、集合時間!
「ど、どうしたのよ、いきなり?」
突然叫び出した俺に驚いたのか、ティナは心臓近くを手で押さえながら訊ねてくる。
悪いが今はそっちを気にしてられない。
俺が戻らないとみんなが迷惑するんだろうな……。かと言ってヴィネアのことを後回しにするわけにも……。
「みんな、先にフィアの所に行ってある程度説明しといてくれ。俺もすぐ行くから」
「ちょっと、クラッド!?」
後ろから聞こえるティナの声に答えることなく、俺はリオンの部屋を飛び出した。
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