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クロスに促され、3人もその手に武器を出す。
「デスサイス」
「ヴィルヘルム」
「巴」
レインの手には大鎌、レナは白い手袋を片手に填め、ルミナは薙刀を構えた。
――あれがみんなの武器……。
レインの大鎌は柄が黒く、三日月形に煌めく刃は、壁の光を反射して不気味に輝いている。
レナの填めている手袋は、白の中に金の装飾が施されていて、指先には獣のような金色の爪があった。
ルミナの薙刀は、刀身の身幅が広く反りが大きい。
至って普通の薙刀だ。
みんなの武器を観察しながらも後退することは忘れない。
武器がない僕は魔法で援護するしか選択肢がないからだ。
レインとルミナは率先して前へ出て、クロスまでもがわずかに前に出る。
必然的に、レインとルミナが前衛、レナとクロスが中衛、僕が後衛という陣形が完成した。
「地獄に落ちろ!」
その声と銃声を合図に、みんなは一斉に攻撃を放つ。
レインとルミナは刃を振り下ろし、レナは腕を振り、僕は【エアスラッシュ】を。
けれど、僕達の攻撃は魔物の甲殻にあっさりと弾かれた。
「硬っ!」
「むぅ……」
前衛の2人が唸る。
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