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魔物が完全に動かなくなったことを確認し、みんなは武器を消して一ヵ所に集まる。
「んで、どうするよ。コイツが奥から来たってことは、この先にもコイツみたいなのがいるってことだろ」
クロスは親指で魔物を指しながら奥に視線を走らせる。
「それに――」
その瞬間、洞窟の奥が輝き、強風が吹き荒れるような音が響き渡った。
「――先客がいるみたいだしな」
クロスの言葉を聞き、僕達も奥に視線を向ける。
――ダメだ。ここからじゃ見えない。
「なら早く行こうよ! 今の音、戦ってるみたいだし。助けないと」
言うや否や、駆け出すレナ。
「待って、レナ! 危ないよ!」
続いてレインも。
「助けは多いに越したことはないだろう」
ルミナまで。
「やれやれ、お人好しなヤツらだな。俺様も手伝ってやるか。行くぞ、クラッド」
「うん!」
頷いてから気付く。
そういえば、初めて名前呼ばれた……?
そう思っている間にみんなとの距離は開いていき、僕は慌てて追いかけた。
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