続・復元

10/17
前へ
/395ページ
次へ
魔物が完全に動かなくなったことを確認し、みんなは武器を消して一ヵ所に集まる。 「んで、どうするよ。コイツが奥から来たってことは、この先にもコイツみたいなのがいるってことだろ」 クロスは親指で魔物を指しながら奥に視線を走らせる。 「それに――」 その瞬間、洞窟の奥が輝き、強風が吹き荒れるような音が響き渡った。 「――先客がいるみたいだしな」 クロスの言葉を聞き、僕達も奥に視線を向ける。 ――ダメだ。ここからじゃ見えない。 「なら早く行こうよ! 今の音、戦ってるみたいだし。助けないと」 言うや否や、駆け出すレナ。 「待って、レナ! 危ないよ!」 続いてレインも。 「助けは多いに越したことはないだろう」 ルミナまで。 「やれやれ、お人好しなヤツらだな。俺様も手伝ってやるか。行くぞ、クラッド」 「うん!」 頷いてから気付く。 そういえば、初めて名前呼ばれた……? そう思っている間にみんなとの距離は開いていき、僕は慌てて追いかけた。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加