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……僕達と同じ理由?
「あぁっ!」
僕の大声が洞窟内に反響した。
「ど、どうしたの?」
怪訝な顔で僕を見るレイン達に、前方の氷を指差して見せる。
「す、進めない……」
別の意味で空気が凍りついた。
そして数秒後、
「はぁっ!?」
クロスが叫ぶ。
「ふざけんなよ! わざわざこんな所まで来てやったのに!」
「僕に言わないでよ……」
クロスは僕の胸ぐらを掴んで前後に揺さぶってきた。
ってか、自分でついて来たくせに。
「大丈夫だよ、クロス。氷を溶かせば問題ナシ」
そんな時、レナは横からそう言い放ち、グッと親指を立てる。
いや、問題ありまくりだから……。
視界の端で、額に手を当ててため息をつくレインが見えた。
「よく考えてみるんだ、レナ。私達の中に火属性はいないし、私の光でも溶かせない。
それに、この強度だ。壊そうにもどれだけの時間がかかることか。
壊したとしても、魔物が出てくる」
見かねたルミナがそう言うと、ポンッと手を叩く。
「なるほど。……じゃあ進めないじゃん!」
もうヤダ……。
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