43147人が本棚に入れています
本棚に追加
そこは一度見たことのある風景。
そう。リディア先生の言っていた通り、洞窟の外だ。
「あー、無駄骨だった。どうせならベルリオーズまで飛べなかったのかよ」
「それは無理だろう。あの結界は強力だからな」
愚痴るクロスとツッコむルミナ。
勝手について来たくせに酷い言いようだ。
「まっ、授業サボれたからいいけど」
クロスはそう言ってベルリオーズの方へ歩き始める。
――やっぱりサボりたかったんだ……。
でもクロスはわかってるんだろうか。
この後学園へ戻らなければならないということに。
そして、無断で学園を抜け出した自分達がどうなるか。
まぁ、気付いてないからあんな余裕なんだろうね。
あれ? 元々かな?
「僕達も行こうか」
レインの声に反応し、残りの2人もクロスに続く。
するとレインは僕の方に体を向け、苦笑混じりに口を開いた。
「今回は仕方ないよ。他にも方法があるかもしれないし、最悪創ればいいことだよ。今日は戻ろう?」
「……そうだね」
僕が頷くと、レインは僕の肩にポンッと手を置いて踵を返す。
うん。レインの言う通りだ。方法は1つじゃない。
肩の荷が下りたような感覚を感じながら、僕もみんなの後を追って駆け出した。
最初のコメントを投稿しよう!