もう1つの方法

3/25
前へ
/395ページ
次へ
「ほら、危機感って人を急速に進化させるじゃない? 追い込めば何かしらの活路が開けるかと思って」 人差し指を立てながら、名案だとばかりに胸を張る先生。 その豊満な胸に、チラチラとこちらの様子を伺っていた生徒達の視線が集まる。 女子達の間からため息が聞こえたり聞こえなかったり。 事実、リディア先生の隣に立つ人物は恨めしげにそれを睨んでいた。 っと、そんなことよりも。 「さすがにそれはちょっと……。大体、この4人を同時に相手をするなんて無理です! 無茶です! 無謀です!」 できるだけ気持ちが伝わるように、拳を握り締めて力説する僕。 けれど、敵は1人じゃなかった。 「面白そうじゃねぇか。俺様は賛成だぜ」 「うむ。私もワクワクしてきたところだ」 ドSコンビ、降臨! マズい。非常にマズい。 このままだと再び記憶を失いかねない。 何とかしないと……。 他にも方法があるかもしれないし。 「先生」 「ちなみに、私の知る限りこれ以外の方法はないわよ」 あっ、終わった……。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加