目覚めと出会い

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階段を降りると、細長い廊下があり、左右に1つずつドアがあった。 たぶんレナとレインの部屋だろう。 そして真っ直ぐ進むと、今度はU字の階段が見え、迷うことなく下に降りる。 降りた先を右に進めば、そこはリビングだった。 家の造りと同じ木でできたテーブルとイス。周りには棚があり、テレビもある。 奥はキッチンらしい。 「そういえば……」 今、気付いた……。 ――学園って終わるの夕方だよね。僕……昼食はどうすればいいんだろ……。 さすがに知り合って間もない他人の家の冷蔵庫は開けられないし、料理もできない。 そもそも、こちらは助けてもらった身なんだから、これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。 明日辺りには出ていかないと……。 「とりあえず外だな」 踵を返した僕は、階段の前を通過し、突き当たりまで進む。 左はトイレや風呂場、洗面所。右が玄関だ。 「結構大きいな、この家」 選んだ方向はもちろん右。 ドアの取っ手を捻り、眩しい太陽の光に照らされながら、僕は初めて?外に出た。  
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