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バチバチと音を立てながら治まっていく電流。
その様子を、僕は少し離れた場所で眺めていた。
――危なかった……。もうちょっとで黒こげだったよ。
咄嗟に跳び退いて助かったからよかったけど、手加減なしもいいとこだ。
いくら魔法陣の効力に護られてるからって、あんなのを喰らえば一溜りもない。
最悪ショック死だね。
他の生徒達もこの騒ぎに手を止める。
全員の視線が、未だ余韻を残す大鎌に向けられた。
「やるね、クラッド。〈放電〉の能力を躱すなんて」
そう言ってわずかに残った電気を振り払うように鎌を振るレイン。
〈放電〉……。それがレインの武器の能力か。
「僕のデスサイスはね、込めた魔力を3倍の電流にして放つことができるんだ。気を付けてね」
レインは再び鎌を構える。
その後ろにいるルミナも。対する僕も。
だから、気付くのが遅れた。
「俺様を――」
2人が視界に入ってることに油断し、背後から迫る影に。
振り返った時にはもう遅い。
「忘れんじゃねぇ!」
僕の頭は激しい衝撃に襲われた。
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