もう1つの方法

6/25
前へ
/395ページ
次へ
バチバチと音を立てながら治まっていく電流。 その様子を、僕は少し離れた場所で眺めていた。 ――危なかった……。もうちょっとで黒こげだったよ。 咄嗟に跳び退いて助かったからよかったけど、手加減なしもいいとこだ。 いくら魔法陣の効力に護られてるからって、あんなのを喰らえば一溜りもない。 最悪ショック死だね。 他の生徒達もこの騒ぎに手を止める。 全員の視線が、未だ余韻を残す大鎌に向けられた。 「やるね、クラッド。〈放電〉の能力を躱すなんて」 そう言ってわずかに残った電気を振り払うように鎌を振るレイン。 〈放電〉……。それがレインの武器の能力か。 「僕のデスサイスはね、込めた魔力を3倍の電流にして放つことができるんだ。気を付けてね」 レインは再び鎌を構える。 その後ろにいるルミナも。対する僕も。 だから、気付くのが遅れた。 「俺様を――」 2人が視界に入ってることに油断し、背後から迫る影に。 振り返った時にはもう遅い。 「忘れんじゃねぇ!」 僕の頭は激しい衝撃に襲われた。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加