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「っ!」
揺らぐ視界。傾く身体。
吐き気が押し寄せてくる中、僕は地面を転がる。
起き上がる時には、痛みも、吐き気も、制服の汚れも、全て元通り。
魔法陣の効力に感謝しながら、さっきまでいた場所に視線を走らせると、そこには黒銃を握るクロスが立っていた。
どうやらアレで殴られたらしい。
そういえば、クロスは銃を使うにもかかわらず中距離で戦っていた。
その理由が今わかった。
接近戦も可能なんだ。
思えば、初めて僕と戦った時も戦い慣れた様子だったし。
とことん見た目に惑わされるな、僕は。
「どうしたよ、クラッド」
ふと、クロスが呟く。
「来ねぇなら……こっちから行くぜ!」
言うや否や、クロスの加わった3人が駆け出した。
先頭にクロス、少し後ろにレイン、その後ろにルミナ。更に後ろに、ただ立つだけのレナ。
レナのことは油断しないとして、この3人相手にやれるか?
いや、どうせ逃げ切れないんだ。やるしかない。
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