もう1つの方法

8/25
前へ
/395ページ
次へ
僕は迫るクロスに意識を向ける。 多分クロスは黒銃だけじゃなく手足も使うはずだ。 銃以外にも気を配らないと。 「うらぁ!」 予想通り、クロスは銃を持っていない右手で拳を作る。 その右ストレートを、クロスの腕の下を潜り抜けるように躱し、背後に回り込んだ。 本当ならここで一撃入れたいとこだけど……。 「まだだよ!」 横に跳び退くと、僕がいた所を三日月型の刃が通り過ぎる。 やっぱりレインが来たか。 僕の予想通りならこの後は……。 「ふっ!」 背後からの声。 案の定、一番後ろのルミナが薙刀を突き出してきた。 「やっぱりか」 薙刀の軌道上から体をズラし、体の横を通過していく柄を脇で挟んで攻撃を止める。 けれど、右からはレインが、左からは回り込んだクロスが仕掛けてきた。 どうする? 後ろに避けるか? いや、それは読まれてるはずだ。 それなら! 「なっ!?」 驚くルミナ。 当然だ。僕が突っ込んだんだから。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加