もう1つの方法

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「く、そ……」 飛んでくる銃弾を、銃口から弾道を読んで躱す。 その先に待ち受けるレインの大鎌も躱したところで、ついにやってしまった。 「うわっ!」 もつれる足。そのまま体が傾き、地面に手と膝をついてしまう。 一度止まってしまったが最後。疲れ果てた僕はもう動けない。 「やっとか!」 「ルミナ!」 「もらった!」 クロスとレインが吼え、後ろでルミナが薙刀を振り下ろすのがわかった。 その一瞬後、激痛と共に背中が焼けるように熱くなる。 斬られたんだと理解したその時、 「っ!」 洞窟の時と同じく、一瞬の痛みが頭に走る。 そして脳裏に映る光景は、夢に出てきたあの場所だった。 ――こんなことが前にも……。 なんとなく、その光景が斬られた瞬間だと思えた。 そして光景の端に映る漆黒の刀。 名前は―― 「レイン、遠慮はいらねぇ! お前もやれ!」 こ……こ、く―― 「ゴメンね、クラッド」 こく……。そうだ! 「黒龍!」  
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