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「……上等だ」
最初に口を開いたのはクロス。
それに続いてレインも大鎌を構える。
首を回して後ろを見ると、ルミナもレインと同じだった。
次に視線を左に向ける。
その先に立つレナもまた、言うまでもない。
「武器を手にしたからってずいぶん強気じゃねぇか。後で後悔すんなよ!」
例の如く、クロスの発砲が再開の合図となる。
僕はそれと同時にレインに斬りかかり、銃弾は対角にいるレナへ。
振るった刀は鎌の柄で受け止められたが、斬れなかったことは問題じゃない。
元々、銃弾を躱すために動いただけだから。
僕の狙いは……レナだ。
チラッと彼女に視線を走らせれば、丁度クロスの放った銃弾を糸の束で防いだところだった。
――今だっ!
鍔迫り合いから黒龍を思いっきり右に振り抜く。
その勢いを利用して、僕はすぐさまレナに向かって駆け出した。
が、次の瞬間、横から僕の目の前に現れた三日月型の刃。
走り出した勢いは急には止められない。
それは確実に僕の首に迫ってきた。
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