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咄嗟に黒龍を滑り込ませ、刀の峰に手を添えて受け止める。
「レナのところには行かせないよ」
背後で鎌を引くレインがそう言い放ち、引く力が増した。
レナに辿り着くにはレインを倒さないとダメらしい。
なら、標的変更だ。
先にレインを倒す!
僕はその場にしゃがみ込み、体と刃の間にあった黒龍を引き抜く。
押さえていたものが消えたことで、レインの鎌は勢いよく空を切った。
透かさず一閃しようと右足を踏み込むが、レインは一回転して横薙ぎに鎌を振るってくる。
「くっ」
急遽攻撃を中止し、防御に一転。
さっきと同じように手を添えて構えた途端、重い衝撃が腕に伝わる。
同時に、チクッとした痛みが背中に走った。
見なくてもわかる。刃の切っ先だ。
曲線を描く形だから、受け止める角度を見極めないと切っ先までは防げない。
厄介な武器だよ……。
それに、
「隙あり!」
鎌の下を潜り抜けるようにして右側から迫る影。
ルミナだ。
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