目覚めと出会い

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「うーん……」 僕は辺りを見回してみる。 家の周りこそ何もないが、少し離れた所からは森が広がっており、窓から見た景色と同じだ。 やっぱり見覚えがない。 「というより、どうして僕はここにいるんだろう……」 少し考えてみよう。 僕がここにいるのは? ――レナ達に助けられたから。 どこで? ――わからない。少なくともそんなに遠くない、家まで運べる距離。 ということは? ――僕はベルリオーズの人……? それか、この付近の住人だったとしか。 この結論が導き出された。 それなら、あそこに行けば何か思い出せるかも……! そう思い、僕は高く聳(そび)え立つ壁を眺める。 でも勝手に行くとレナ達に心配かけるし……。 「ちょっと。ちょっと行くだけなら」 足早に歩き始めた僕だが、妙な感覚に気付いて足を止めた。 「この感覚は……魔力? もしかして」 ――結界。 その考えが頭に浮かんだ。  
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