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今の状況じゃ反撃できない。
足を使おうとも考えたけど、やっぱり女の子を蹴るのは抵抗があるし……。
結局、僕はルミナから離れるように左側に跳び退いた。
しかし、地面に足をつけた瞬間、割と近くで3発の銃声が響く。
気付いた時にはすでに遅く、左足の脹脛(ふくらはぎ)と両足の太股の計3ヵ所を銃弾に抉られた。
「っ!」
――ト、三連続早撃ち(トリプルクイックドロウ)!?
痛みと共に足から力が抜け、ガクッと地面に膝をつく。
目の前には、大きく回り込んでいたクロスが黒銃を振りかぶっている。
ケガはまだ治らない。
それにもうすぐレインとルミナも追い付くだろう。
レナだってそろそろ動くはずだ。
もう、逃げるわけにはいかない。
僕は振るわれる黒銃を見つめながら右手に力を込める。
――いくぞ、黒龍!
そして弾いた。
銃を弾かれたクロスは驚きの表情でよろめく。
その間に傷は治り、僕は刀を振り抜いた格好のまま立ち上がる。
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