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「うっ!」
小さく呻き声を上げて僕に身体を預けるレナ。
この魔法陣の中ではケガは治るけど気絶はする。
初めてクロスと戦った時に僕自身が経験したことだ。
だからこの方法が一番手っ取り早い。
気を失ったレナをゆっくり地面に寝かす。
後はリディア先生に任せよう。
そう思い、僕は3人の方へ体を向けた。
仕掛けてこないのはここにレナが寝てるから。
なら、こっちから仕掛けるしかない。
僕だって彼女から離れないと戦えないんだから。
黒龍を握る手に力を込め、僕は駆ける。
次の狙いは……クロスだ。
「クラッドぉっ!」
しかし、その進路上に立ちはだかる人物がいた。
大きな鎌の柄を背中を通して構えるレインだ。
「レイン……」
予想はしていた。
恋人のレナがやられたんだ。例え模擬戦だとしても優しいレインは怒るだろうと……。
だからこそ、僕は振るわれた大鎌を正面から受け止めた。
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