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「クラッド……」
刃を交えながら再び僕の名前を口にするレイン。
さっきと比べると落ち着いたみたいだけど、武器に込められる力は変わらない。
「僕は今怒ってる」
レインは予想通りの言葉を口にする。
「キミにじゃない。キミを止められなかった自分自身にだ」
ギリッと奥歯を噛み締めると同時に、レインの持つ大鎌に稲妻が走る。
――ヤバい!
「これが実戦だったらレナは死んでたんだから!」
僕が跳び退いた途端、今までよりも強い電流が周囲に飛び散った。
それは使用者であるレインの手を焦がし、着ていた制服も爆ぜる。
そうか。あの能力は電流が強ければ強いほど自分にもダメージが返ってくるのか。
けれどここは魔法陣の中。
一瞬の痛みを我慢すれば傷は治る。
しかし、レインは何故か電流を流したまま僕に近付いてきた。
一体どれだけの魔力を込めているんだろう?
しかもそれの3倍だったはず……。
仕方ない。これぐらいかな?
そして僕は片手で黒龍を横に一閃した。
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