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「どうしたの、先生?」
僕の代わりにレナが口を開く。
「いえ、何でもないわ。もういいわよ。ありがとう」
レナの声で黒龍から目を逸らし、立ち上がったリディア先生。
「仕事があるから戻るわね。あなた達も次の授業に遅れないように」
そう言い残し、先生は保健室を出て行った。
「……何か隠してるね」
少ししてからレインがポツリと呟く。
いつの間にかクロスも喋るのを止めていて、先生が出て行った扉を凝視している。
僕の視線は黒龍へ。
「やはりその刀か?」
それに気付いたルミナが唇を震わせた。
そう。何かあるとすればコイツしかない。
先生は何を隠しているんだろう……。
大人の事情なのはわかっているけど、黒龍が関係しているのなら僕にも関係がある。
「とりあえずコロシアムに戻ろう。そろそろ授業が始まる時間だ」
そんな考えをやめさせるように、ベッドから腰を上げるルミナ。
僕達は頷き、黒龍を消してからみんなで保健室を後にした。
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