目覚めと出会い

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よく考えてみれば当然だ。 こんな森の中に家を建てて魔物に襲われないはずがない。 「はぁ……仕方ないか。明日にしよう」 僕は大人しく踵を返し、家に戻る。 2人に心配かけるわけにはいかないしね。  ◆ ◆ ◆ ◆ 家に戻ってから早くも6時間が経った。 目が覚めてから簡単な朝食しか食べていない僕にとって、この6時間は苦痛だった。 いや、現在進行形で苦痛だ。 諦めて寝ようとしたその時、 「レナ、早く!」 「ちょっと待ってよ!」 神は僕を見捨てなかった。 『ただいまー!』 扉が開く音と共に聞こえる声。 ドタドタと慌ただしく階段を駆け上がり、2人は僕が使わせてもらってる部屋に上ってきた。 「遅いっ!」 思わず口から出た言葉。 居候のくせに失礼だけど、僕の腹はもう限界だ。 「ゴメンゴメン。お昼は食べた?」 彼女の問い掛けに首を横に振る。 「えぇっ!? じゃあすぐに作るから待ってて」 そう言って、レナは再びドタドタと階段を降りていった。  
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