43147人が本棚に入れています
本棚に追加
彼……リオン・ハーネットはギルドに来ていた。
いつも通り依頼をこなしていたのもあるが、先程受付で伝えられた内容はフィアが呼んでるとのことだった。
そんなわけで、リオンはフィアの部屋の前まで来たわけである。
――呼び出されるようなことなんてした覚えがないんだが……。冥王関係か?
最近の自分を思い返してみるリオン。
けれど、これと言って問題になるようなことをした覚えはない。
まぁいいか。と、リオンは考えるのを中断した。
――入ればわかることだ。
やや強めに、しっかりと扉を叩く。
「どうぞ」
返ってきた声を聞いて小さく息を吐くと、彼はゆっくりと扉を開けた。
「来たわね」
部屋に入って早々、相変わらず大量の資料に目を通していたフィアが立ち上がる。
彼女はリオンにソファーに座るように促すと、自分も向かいにあるソファーに腰掛けた。
「突然呼んだ上に、お茶も出せなくてごめんなさいね」
「別に構いません。それより俺を呼んだ理由は……?」
最初のコメントを投稿しよう!