動き出す歯車

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彼……リオン・ハーネットはギルドに来ていた。 いつも通り依頼をこなしていたのもあるが、先程受付で伝えられた内容はフィアが呼んでるとのことだった。 そんなわけで、リオンはフィアの部屋の前まで来たわけである。 ――呼び出されるようなことなんてした覚えがないんだが……。冥王関係か? 最近の自分を思い返してみるリオン。 けれど、これと言って問題になるようなことをした覚えはない。 まぁいいか。と、リオンは考えるのを中断した。 ――入ればわかることだ。 やや強めに、しっかりと扉を叩く。 「どうぞ」 返ってきた声を聞いて小さく息を吐くと、彼はゆっくりと扉を開けた。 「来たわね」 部屋に入って早々、相変わらず大量の資料に目を通していたフィアが立ち上がる。 彼女はリオンにソファーに座るように促すと、自分も向かいにあるソファーに腰掛けた。 「突然呼んだ上に、お茶も出せなくてごめんなさいね」 「別に構いません。それより俺を呼んだ理由は……?」  
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