とある休日

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「ねぇ、そろそろ僕を連れてきた理由を教えてくれない?」 僕はどこかを一心に見つめる2人に訊ねる。 けれど2人は答えず、ある一点を指差した。 その一点とは、噴水。 ……ん? あれ? よーく目を凝らして見れば、そこにいたのは、 「クロス!?」 クロス・レイヴェルトだった。 まさか……。 「もしかしてさ……」 「そうだよ。クロスを尾行するの」 レナはいやらしい笑みを浮かべながら頷く。 そのまさかだった。 「まぁ、クロスだけじゃないんだけどね」 僕はレナの言葉に首を傾げる。 その疑問にはレインが答えてくれた。 「ルミナもだよ」 ルミナもだよ? つまりクロスとルミナを尾行するってこと? 「それって……デート!?」 その単語を出そうか迷った末に口にする。 2人は頷き、ニヤリと笑いを零した。 「気付かなかった? クロスって実は……」 レインの言いたいことは想像できる。 つまり、そういうことだ。  
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