目覚めと出会い

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「やっぱり騒がしいね」 「まぁ、レナだし?」 「確かに」 2人で苦笑した後、僕は突然真剣な目でレインを見る。 今だけは空腹を感じない。 「ねぇレイン。教えてほしいんだ。僕を見つけた時のことを」 「クラッド……」 レインは驚いたような表情で僕を見ると、一度微笑んでから口を開いた。 「キミを見つけたのは5日前。僕とレナはいつも通り学園から帰るところだった」 そこまで言うと、レインは窓の外へと視線を移す。 「ベルリオーズからこの家へ続く道の途中にキミは倒れてたよ。 身体中に刃物で斬られたり刺されたりした傷があって、着ていた黒いコートもボロボロ。出血も酷かった。 そのせいか高熱も出てて、僕達は慌てて家に運び込んだ」 僕はレインの話を聞きながら別のことを考えていた。 ――刃物の傷……? 僕は人と戦っていたのか? いや、魔物の爪かもしれないし……。 「でも僕達は回復魔法が使えなかったから、ルミナって友達を呼んだんだ。 すると傷はあっという間に治った。熱は下がらなかったけどね……。 で、昨日熱が下がってきて、キミは今日目を覚ましたってわけだよ」  
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