とある休日

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話が一段落すると、丁度2人が店から出てくる。 僕らは再び気を引き締めて尾行を続行。 今度はちゃんとした店に行くみたいだ。 「何だかんだでお似合いだよね、あの2人」 建物の陰に隠れながらレナが口を開く。 「確かに。美男美女だからね」 とレインが答え、僕も頷いた。 雰囲気に違和感がないと言うか、見てて安心すると言うか……。 まぁ、残念ながらクロスの一方通行だけど……。 そんな会話をしながら進むうちに、2人は喫茶店へと足を運ぶ。 さて、どうしよう。 店の大きさは大きくもなく小さくもないと言ったところ。 窓側の席に座ってる人は見えるが、中の様子はよく見えない。 「入る?」 僕は振り返って2人に訊ねた。 見つかる危険は高まるけど、休憩はできる時にしておいた方がいい。 「そうだね。レインはどう思う?」 「僕も構わないよ。でも、入る時は注意しないと」 行動が決まったところで店の前に移動し、できるだけゆっくり扉を開ける。 それでもベルが鳴ってしまったが、一々反応する客はいない。 その音を聞いて女性店員が顔を出した。  
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