とある休日

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曲がり角で待ち伏せしていた犯人はその隙に逃げようとするが、僕が咄嗟に足を掴んだため地面に倒れる。 僕はその間にルミナのバッグを取り返した。 「これは返してもらいますよ」 「てめぇ……」 立ち上がった犯人は屈強そうな大男。 邪魔をした僕に今にも殴りかかってきそうだ。 って言っても、もう殴られたけど……。 「おいガキ、今それを返せば無傷で見逃してやるよ」 「立場がわかってないみたいですね。見逃してあげるのはこっちですよ」 「んだと!」 言うや否や、男は右腕を大きく振るう。 その軌道に沿って放たれる風の刃。 【エアスラッシュ】だ。 対する僕も同種の魔法でそれを相殺。 相手と同じ属性ほど対処し易いことはない。 そう思ったのは向こうも同じようで、こっちにも聞こえるぐらいに舌打つ。 「てめぇも風かよ。そういや俺と同じ方法で追ってきたんだったな」 だからどうした。 僕は次の魔法を放つために思考を動かす。 手の内が読める以上、いかに隙をつくるかが重要だ。 別にバッグは取り返したから逃げてもいいんだけど、プライドと言うか癖と言うか……。 とにかくああいった輩は見逃せない。  
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