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「クラッド! 大丈夫!?」
みんなが駆け寄ってきてくれる中、その男性は気絶している男のそばに膝をつく。
「ギルドの人だよ」
ずっとその人を見ていたからか、レインが小さな声で教えてくれた。
あぁ、なるほど。
しばらく静かに見ていると、彼は立ち上がって僕らの所にやってきた。
「あれはキミがやったのかい?」
少々戸惑いながら頷くと、その人は、ほぉ……と感嘆の声を漏らす。
「ヤツはランディス・バロウズといってね、最近名を上げてきた犯罪者なんだよ。いやしかし……まさか学生がヤツを捕まえるとは……」
「いえ、向こうも学生だと油断してましたから……」
事実を伝えると、彼は上機嫌に笑いながら僕の肩をバシバシ叩いてきた。
「今回はお手柄だったな。だがこんな危険なことはもうするなよ? まぁ卒業したら是非ともウチのギルドで働いてくれ」
そう言われて僕らは表通りまで戻ってきた。
これから報告やら事後処理があるかららしい。
そこで、僕は手の重みに気が付いた。
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