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「そうだ。はい、ルミナ」
持っていたバッグを彼女に渡す。
「戦ってる最中に落としちゃったんだけど……大丈夫かな?」
バッグの中を覗き込んだルミナは笑顔で顔を上げた。
よかった。中は無事だったみたいだ。
「本当にありがとう。クラッド」
その言葉を聞くだけで取り戻した甲斐があった。
嬉しさでいい気分になっていた、その時。
「んで、何でお前らがあそこにいた?」
このまま誤魔化そうとしていたことをクロスに突付かれた。
固まる僕ら。睨むクロス。
……どうしよう。
「まさか俺様達を尾行してたなんてことはねぇよな?」
クロスはガシッと僕の肩を掴んでくる。
そこで、レナがやらかした。
「ぐ、ぐぐぐ偶然だよー」
噛む、棒読み、視線を逸らす。
誰がどう見ても挙動不審な姿がそこにあった。
レナのバカ~!
「へぇ~」
クロスに掴まれてる肩がミシミシと悲鳴を上げる。
ヤバい。かなりご立腹だ……。
「に、逃げろー!」
いち早く逃げ出すレナ。
続いてレイン。
「ちょっ、助けてよ!」
「待ちやがれー!」
ルミナがクスクスと笑う中、僕らは夕暮れの商店街を駆け抜けた。
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