分岐点

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セントレス学園、2年F組。 クラッド不在の教室で、生徒達は担任のシド・リーヴェンスから重大な話を聞かされていた。 「先生……今何て?」 1人の生徒が信じられないといった表情でシドに訊ねる。 「三度は言わねぇぞ。お前達には近々行われる他学園との交流試合に代表として参加してもらうことになった」 聞き間違いではなかったシドの言葉。 予想通り、クラスのほぼ全員が騒ぎ出した。 ある者は試合に燃え、ある者は嫌そうに愚痴を漏らし、ある者は緊張で固まり、ある者は理解が追い付いていない。 そして、当然の疑問が頭に浮かぶ。 「先生、どうして私達なんですか!?」 それまで騒いでいた生徒もピタリと口を閉じ、シドの返事を待つ。 対するシドはばつの悪そうな顔で頭を掻き、 「あー……実は俺も知らないんだわ。今朝学園長に言われてな。俺も理由を訊いたんだが教えてくれなかった」 再び騒がしくなる教室。 そんな中、リオンだけは別のことを考えていた。 (ついに来たか……) 思い出すのは先日のフィアとの話。 ――舞台は用意する。 (学園長が絡んでる以上、舞台はこの交流試合で間違いないはずだ……) 去年は交流試合なんてイベントはなかったため、リオンはこの結論に至ったわけだ。 「んで、気になる試合相手は――」  
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