分岐点

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時を同じくして、ローレンツ学園、2年A組。 「突然だけど、あなた達は他学園との交流試合の代表に選ばれたわ」 教室に凛と響くリディアの声。 それまで騒いでいた生徒は雑談を止め、全員の視線がリディアへと向けられる。 「おい先生、今何つった?」 当然、こういう時に真っ先に口を開くのはクロスである。 「あなた達にはローレンツ学園の代表として他学園との交流試合に参加してもらうって言ったのよ」 しばしの沈黙。 『えええぇぇぇぇっ!?』 やがてリディアの言葉の意味を理解した生徒達は一斉に叫びだした。 「みんな落ち着け!」 そんな生徒達を制するために声を張る人物がいた。 ルミナではない。クロスだ。 彼の声を聞いた生徒達は徐々に静まっていく。 クロスに反抗すればどうなるか……。それを十分に承知していたからだ。 もっとも、この男に限ってクラスをまとめようなどという考えは毛頭ない。 全ては自分が目立つため。自分だけが発言できるようにしただけに過ぎない。 「まぁ俺様のいるクラスが選ばれるのは当然なんだが、一応理由を聞いてやろう」 かなりの上から目線なのだが、いつものことなのでスルー。 リディアは大きなため息を吐くと、クラッドを一瞥してから口を開いた。 「私も今朝学園長に言われたのよ。理由は教えてくれなかったわ」 その言葉に再び騒がしくなる教室。 そんな中、クラッドだけは別のことを考えていた。 「はいはい静かに!それで試合相手なんだけど――」  
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