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「んじゃ作戦でも決めるか」
席を立ったクロスは当然のように教卓まで移動する。
そして左手にチョークを持ち、黒板に僕の名前を書き込んだ。
名前の横には、リーダーと書かれている。
「今から俺様の考えた作戦を説明するが、何か意見があるヤツは遠慮なく言え。今回は特別に許可してやる」
言うや否や、クロスは黒板に文字を書き始めた。
自分の名前を書き、その横に遊撃手の文字。
黒板をバンッと叩いたかと思うと、半身になって口を開く。
「俺様が正面から突き進む」
「それでそれで?」
ノリのいいレナが合いの手を入れる。
するとクロスはニヤリと笑みを浮かべ、
「敵リーダーを潰す。以上」
……みんながずっこけた気がした。
作戦でも何でもないじゃん!
「はぁ……。キミに任せてられない。交代だ、代われ」
呆れたルミナはため息を吐くと席を立つ。
惚れた弱みか、クロスは文句を言いながらも素直に戻ってきた。
なんか不気味だ……。
「ではクロスに代わって私の意見を言わせてもらう。作戦は――」
こうして、事は順調に進んでいった。
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