ミュヘンの森

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そして、一週間後。 多くの生徒に見送られ、僕達2年A組はローレンツ学園を出発した。 まずはベルリオーズの門をくぐり、そこからリディア先生の転移魔法で一気に森の近くまで飛ぶ予定だ。 40人の生徒を連れて転移って……もしかしたら人類初の試みかもしれない。 そんなことを考えていた僕の隣で、レインが小さな欠伸を漏らす。 「大丈夫?」 訊ねると、レインはいつも通りのにこやかな笑顔を浮かべながら、何でもないと片手を振る。 「昨日は緊張して寝れなかったんだ」 いつの間にか寝てたんだけど、と付け足し、もう一度欠伸をした時だった。 「レ~イン!」 唐突に後ろからレインの背中に飛び乗るレナ。 げんなりしたレインとは違い、こっちはぐっすり眠れたみたいだ。 哀れ、レイン。 「レナ、キツいんだけど……」 「えっ、嘘!?私そんな重くないよ!?」 そのキツいじゃないだろう……と思ったのはめんどくさいから口には出さない。 代わりに、何も見なかったことにしてレナに話し掛けた。 「レナは緊張しなかったんだね」 「うん。あんなに頑張って考えたんだもん。作戦通りやれば大丈夫だよ。まぁ、始まる直前に緊張してきちゃいそうだけどね……」  
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