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「クラッドこそ緊張しなかったのかい?」
「僕は……」
昨日も学園に忍び込んでいたからね。疲れてぐっすりだったよ。
「僕も直前に緊張するタイプだから」
「緊張してたのは僕だけじゃないか……」
まぁ……クロスやルミナが緊張するとは思えないし。
むしろレナみたいに楽しみにしてたんじゃないだろうか。
いや、してたね、絶対。
だって一番前を歩く2人の後ろ姿は生き生きしてるように見えるから。
こんな会話で門までの道のりを歩き、例によってあの大きな門を少しだけ開けてもらう。
ベルリオーズを出た僕らは、先生を囲む形で一ヵ所に集まった。
「みんないるわね? いない人はいないか確認して」
そう言われて周りを見るけど、特に見当たらない人はいない。
それにもう子供じゃないんだし、ここまで来る間にはぐれる人はいないでしょ……。
「大丈夫みたいね。それじゃあ行くわよ。【転移】」
一瞬の浮遊感の後、わずかに景色が変わった。
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