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辺り一面が黄緑色の平原。
そこに道なんてものはなく、どれだけベルリオーズから離れたのかを物語っている。
周囲に緑が多いのは変わらないが、当然後ろにベルリオーズはない。
そして何より、平原の先に見える大きな森。
明らかに周りと違う雰囲気を放っていて、つい昨日まで高レベルの魔物がいたことを思い出させる。
ホントに一掃したのか疑わしいところだ。
もしかしたら生き残った魔物がいるかもしれない。
そんな考えが頭に浮かんだ。
それはみんなも同じらしく、不安の眼差しで森を見つめる。
「おいおい、今からビビってたら勝てるもんも勝てねぇぞ」
そんなみんなの表情を見て呆れた声を出すクロス。
ビシッと森を指差し、みんなに向かって声を張り上げる。
「ビビってんのは向こうも同じなんだ! ちったぁウチの教師を信じたらどうだ! それとも何か? お前らはこのまま動かずに黙って逃げ帰るってのか? この腰抜け共が!」
クロスの最後の言葉。それで1人の生徒がキレた。
「上等! 行ってやろうじゃんか!」
1人が動くと、次々とみんなも続く。
「みんな安心して。魔物の一掃はシルメシアのギルドの人達も手伝ってくれたの。プロに任せたんだから間違いはないわ」
リディア先生のその言葉に、最後まで渋っていた女子までやる気に。
結局全員乗せられたか……。
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