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それは静かに目を閉じていた。
無駄な力を使わないように、決して動くことはせず、ただじっと目を閉じる。
全ては復讐のため。
自分をこんな所に封じ込めた、憎き冥王を殺すため。
だが、それももう叶わないようだ。
自分が目覚めたことが何よりの証拠。
ヤツは死んだ。
ならばこの怒りはどこにぶつければいい?
そうだ。自分が封じられるきっかけを作ったのは誰だ?
人間だ。
奴等を消せばこの怒りは治まるだろうか。
それはゆっくりと目を開く。
時は満ちた。
狩りの始まりだ。
それの瞳は、血のように赤く輝いていた。
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