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「あれが合図か?」
「多分そうだと――」
「っしゃ! 行くぞ、てめぇら!」
僕の言葉を最後まで聞くことなく、クロスは4人の生徒を引き連れて走り出す。
その姿はあっという間に見えなくなり、僕らは揃ってため息を吐いた。
「では私達も行動するとしよう。絶対に勝つぞ!」
『おぉっ!』
みんなの士気が最高潮に高まり、各部隊が四方八方に散る。
レイン達は左側から迂回して進み、レナ達は等間隔に離れて少し遠い所へ。
ルミナ達は5人ばらばらに散り、狙撃部隊はすぐさま木の上に。
10人は好きな方向へ向かい、守護部隊も気付いたらいなかった。
これで残ったのはリーダーの僕だけだ。
それにしても視界が悪いな……。
息で仮面の内側も湿ってきたし。
まぁ向こうのリーダーも条件は同じだろうから文句は言えないか。
「……はぁ。暇だ」
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