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鈍い音と共に男子生徒が崩れる。
だがクロスは最後まで見ることなく、味方と剣の鍔迫り合いになっている敵に向けて残りの銃弾2発を放った。
それも最後まで見届けなかったが、耳に届いた呻き声で当たったと判断。
周囲に視線を走らせると同時に、視界の端で刃が煌めく。
クロスは咄嗟にインフェルノを構えてそれを受け止めた。
胸の真ん中に正確に突き出された槍。
受け止められたからか、相手の生徒は小さく舌打つ。
それがクロスの怒りのボルテージをわずかに上げた。
「筋はいいが……」
突き出された槍の柄を右手で掴み、
「まだまだ甘ぇ!」
横に退けると同時に黒銃を振り下ろす。
しかし相手もクロスの手首を掴み、彼の黒銃は届かなかった。
「なっ!」
「甘いのはどっちだよ」
「っんの野郎……」
互いに相手の武器を封じ、自分の武器も封じられた状態。
しばらく睨み合った後、どちらからでもなく手を放し、後ろに跳び退く。
「【シャドウスピアー】」
「【フレイムキャノン】」
魔法の発動は同時。
けれど、力の差はそうはいかなかった。
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