交流試合開始

8/87
前へ
/395ページ
次へ
2つの魔法が衝突するが、その均衡は一瞬で崩れる。 クロスの放った【シャドウスピアー】が【フレイムキャノン】を貫いたからだ。 三つ叉の黒い槍は火球を掻き消し、男子生徒へ一直線。 相手は腕を引き、槍を突き出してそれを相殺する。 魔力温存のためだ。 だが彼は魔法を使わなかったことを後悔した。 魔法を相殺する瞬間、自分に銃口を向けるクロスの姿が見えたから。 マズい、と思った時には遅く、彼は6発の魔力弾を浴びて地に伏した。 「ふぅ……」 クロスは銃をクルクル回しながら一息ついて辺りを見回す。 全ての勝負は決していた。 ――1人負けたか……。 残った人数を確認してそう思う。 自分が2人と戦った時点でわかっていたことだ。 クロスは自分が負けるとは思っていない。 しかし他の人が負けることはある。 「進むぞ」 仕方のないことと割り切り、彼らは奥に向かって歩き出した。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加