交流試合開始

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 ◆ ◆ ◆ ◆ レインが属する奇襲部隊。 森を迂回して進む彼らは、遭遇した生徒達を倒しながら順調に進んでいた。 「はぁ……はぁ……強い……」 ついさっきまでは。 彼らの前に立ちはだかるはたった1人の女性。 長い紅髪を靡(なび)かせ、キリッとした目でレイン達に視線を固定し、揺らめく炎の剣を構える。 レイン達は彼女……ティナ・スカーレットを前に動けずにいた。 ティナ1人に対して彼らは5人。 数では圧倒的に有利なのだが、誰1人として彼女を突破できないのだ。 「もう一度だ!」 レインが吼え、全員が駆け出す。 けれど、 「【ヴァンアロー】」 5本同時に放たれた炎の矢がそれぞれに向かって飛んでいく。 発動の速さ、矢が飛んでいく速さ。どちらも彼らが反応するには厳しいほどに速い。 その中で、レインだけはしっかりと避けることができた。 ここまではさっきと同じ。 レインのデスサイスを握る手に力が入る。 そのままティナを尻目に進もうとした時、 「行かせない」 一瞬でレインの前に回り込んだティナがフラムルージュを振りかぶっていた。  
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