目覚めと出会い

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「レイン……。そのことなんだけど、僕は明日――」 「レイン。持ってきたよ!」 どうしてこの2人……主にレナはいつも僕の言葉を遮るんだろうか……。 狙ってる? 絶対狙ってるよね? 憎々しげに、戻ってきたレナを睨めば、彼女の手にある“もの”に気付く。 それは高さ4~5cmぐらいの大きな四角い白い箱。 「何それ?」 疑問を口に出すと、レナは食器を退けてその箱を僕の目の前に置いた。 意図がわからない……。 ニコニコ笑う2人の表情は、開けてみろとでも言いたげだ。 「わかったよ……」 僕は被さっていた箱の両端を掴み、ゆっくり持ち上げる。 「えっ!? これって……」 『おめでとう!』 箱の中に入っていたのは……制服だった。 ――明日ベルリオーズに行くってことは……。 「もしかして……」 「たぶんクラッドの考えてる通り。キミには明日から僕達と同じ所……ローレンツ学園に通ってもらうよ」 開いた口が塞がらない……。 レインの言ったことを理解するまでに数秒の時間を要した。  
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