交流試合開始

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「本気!? それじゃレイン君が……」 作戦を聞いた女子生徒が抗議しようとするが、レインは首を小さく横に振ってそれをさせない。 「この方法が一番手っ取り早いんだ。僕のことを心配してくれるなら早く終わらせてね」 大鎌を握り直し、彼は再度走り出す。 ティナは魔法を放とうと左手を上げるが、動いているのはレイン1人の上、自分に向かって来ているということもあり、手を下ろした。 そしてその手を剣の柄へ持っていき、両手で握る。 ――何を企んでるの……? まぁ、様子を見てからでも遅くはないわね。 そう考えたティナはレインを待ち構える。 横薙ぎに振るわれた大鎌の刃を受け止めた時、レインが叫んだ。 「今だっ!」 途端に後方にいた4人が走り出す。 レインが考えた作戦。それは単純にレインが足止めし、その間に彼らが進むというもの。 この場にティナを足止めできるのはレインしかいない。なら自分がやるしかないじゃないか、と言ったのだ。 だがティナだってこれぐらい予測の範囲内。 大鎌をしゃがんで躱し、魔法を放とうと4人に手を向けた瞬間。 「【スパークフィールド】」 ティナの身体に微弱の電流が走る。 微弱と言っても、彼女の動きを止めるには十分だった。  
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